先祖代々のお墓
原則として先祖代々のお墓に入れるのは 家の継承者と継承者の配偶者 のみです。
家制度では、通常、長男が継承者となるので なくなった人が長男であるのか は一つのポイントになります。しかし、長男が 子供がいない といった場合、長男がお墓を継ぐと、そのお墓を継ぐ人がおらず 無縁仏 になってしまいます。この場合には次男が継承者になって、次男が先祖代々のお墓に入ることになリます。
しかし、現在では お墓の継承者の同意 があるとお墓の継承者でなくても先祖代々のお墓に入ることができます。また、その際の注意点としては墓地や霊園の使用規則で『 何親等まで 』と明確に決められていて入ることができない場合があります。その場合は霊園に確認することが大切になります。
個人墓
個人墓 とは、故人一人で入るお墓のことです。
普通のお墓と同じく、墓石を建てます。しかし、個人墓は永代供養墓のなかの一つで、一定の期間がすぎると他の遺骨と一緒に合祀墓に入る場合が大多数を占めています。東京や大阪などの大都市、過疎化が進んだ地域を中心に、独りで暮らさなくてはならない高齢者が増え、親戚などと疎遠になっている人が増加しています。そして、参拝する人がいないならば、お墓があっても意味がないという人もおり、そういった人のために一人専用サイズのお墓に入る形式が広がっています。
個人墓の特徴は、子孫にお墓を継承する必要が無いため、自分の好きなデザインを選んだり、言葉を掘ることができます。しかし、他の永代供養よりも費用がかかること、一定期間が経つと永代供養墓にて他の遺骨と一緒に合祀されてしまうということも特徴の一つです。
夫婦墓
夫婦墓は夫婦2人だけが入るお墓のことです。
子供がいない夫婦や、嫁いだ娘が実家の両親のお墓として建てるケースが多いようです。また、個人墓と同じように一定期間が経つと合祀され永代供養墓にて他の遺骨と一緒に合祀されます。
家族墓
家族墓は親子2代に渡って入る種類のお墓のことです。
親から子供へ継ぐことが想定されています。個人墓、夫婦墓と同じように、期限付きのものが多く一定期間が経つと合祀され、永代供養墓にて合祀されます。
両家墓
両家墓とは2つの家系のお墓を一つのお墓にしたものです。
最近になってからできたお墓の種類ではなく昔からある種類のお墓の形です。お墓を継ぐ子供がいない、一人娘が嫁いでしまったなど、将来お墓を管理できない場合に利用されます。
メリットは墓参りが一度で終わることやお墓の維持や管理がしやすくなるという点です。デメリットは手続きが困難で、一箇所で相談などをすることができないため、時間や費用がかかります。
また、お墓の移動費や開眼供養、閉眼供養に関わるお布施、親族の理解など多くの手続きや手間・時間がかかります。しかし、将来にお墓の維持や管理する人の手間を少なくすることができ、無縁墓となり継承者や縁故者がいないというケースを避けることができます。注意点は親族の了解を取るということ 両家墓はそのお墓に入る人だけで決めればよいという問題ではありません。中には先祖代々のお墓だから絶対にダメだという人がいる場合もあります。維持管理をしていない親族であっても自分の親が入っているので相談や理解は必ず得るようにしましょう。
お墓を建てない供養形態の種類 永代供養
集合墓
集合墓とは、納骨堂のようにロッカー式になっていて骨壷の中に遺骨を入れ、そこから集合墓に入れます。合祀墓と比べ、費用がかかるという特徴や骨壷に入れてから埋葬するのであとから取り出せるという特徴があります。
合祀墓
合祀墓は遺骨を骨壷に入れずに最初から直接他の遺骨と一緒にして埋葬します。供養の形としては費用があまりかからないという点や他の骨と最初から混ぜてしまうため、あとから取り出すことができないという欠点があります。
お墓を建てない供養形態の種類 納骨堂
納骨堂は遺骨を土に埋めないことがお墓との大きな違いです。都府県知事の許可が必要です。墓石を建てる必要がないため墓地を求めるより安価である、管理しやすいなど都市部では需要が増えています。納骨堂には下記の三種類があります。
自動搬送式
自動搬送式納骨堂は、お参りする人が遺骨のあるところに行くのではなく遺骨が参拝する場所まで自動的に運ばれて来る納骨堂です。
都心にありアクセスの良い場所にあることが多いので仕事帰りに行くことができたり、体の不自由な方でも墓地に比べて楽に移動することができたり、天候にかかわらず夏の暑い日でも冬の寒い日でも自由にお参りをすることができます。また、お墓を継ぐ人がいなくなったあとは、永代供養をしてくれるのが一般的です。自動搬送式納骨堂は、遺骨のある場所と参拝で場所を分けているため、納骨の場所を小さくすることができます。そのため多くの遺骨を安置できるため、都心でのお参りが可能になっています。しかし、設備が最新のため、管理費が少し高めに設定されているという点や老朽化してしまうということや機械の故障でお参りができなくなるとようなデメリットがあります。
ロッカー式
ロッカー式の納骨堂は、遺骨を保管しておくロッカーが置かれており、上段に位牌を安置する仏壇がついているものもあります。個別の収蔵庫が縦横に並んでいるタイプです。
納骨堂とは思えないほど明るいデザインが豊富で、価格帯も様々です。
仏壇式
仏壇式納骨堂はご家庭にあるようなお仏壇にお参りをする納骨堂です。
上の段に仏壇や位牌を、下の段に遺骨の入った骨壷を収めるといったやり方が仏壇式です。イメージとしては仏壇が一列に並んでいるという形です。隣にも他の人の仏壇があり、仏壇の幅が狭いところもあります。特徴は個別の仏壇のため、いろいろなお供えをすることができます。上の段には、遺影をおいたり記念品やお花、おかしなどいろいろなものをお供えすることができます。また、装飾がとても豪華で見栄えが良いものが多く、立派なものが多いです。一方、他の納骨堂よりも料金が高く設定されている納骨堂が多いです。他の納骨堂よりも多くの場所を使うということや立派なお仏壇だとよりお起きの値段がかかります。また、すぐとなりにお仏壇があるため落ち着かないというのもデメリットとして挙げられます。
お墓を建てない供養形態の種類 樹木葬
樹木葬は遺骨を遺骨を土の中に埋め、その上に象徴となる樹木を植える方法です。
普通のお墓と異なり、樹木がお墓の目印となります。自然に還れるという点で樹木葬は近年注目を集めています。しかし、デメリットもあります。樹木葬は、木を墓標にするので落ち葉などで荒れてしまいます。場所にもよりますが、お参りのたびに手入れをしなくて鼻彫らない場合もあります。また、山の中にお墓を作る事が多いため、参拝のたびに山登りをしなくてはならなかったり、山火事を防ぐためお線香やろうそくを上げることができなかったりと多くのギャップがあることもあります。また、代々のお墓にできないため、結婚している場合や長男などで代々のお墓を継がなくてはならないという場合には利用しづらいという欠点があります。
お墓を建てない供養形態の種類 散骨
散骨は 海洋散骨 とも言われ自然に帰るという観点から人気を集めています。
しかし、遺骨をそのまま海へ散骨してしまうと遺棄罪に問われてしまいます。そのため、砕く処理を必ずしてから散骨しなければなりません。また、漁業関係者とのトラブルも多く散骨禁止条例によって散骨する事ができない都道府県もあり、問題の起こらない海域を選ぶ必要があります。
お墓を建てない供養形態の種類 手元供養
手元供養は、亡くなった人の遺骨を手元におく供養のことです。
手元供養はあまり馴染みのない供養ですが、実は手元供養は以前からありました。しかし、近年では現代ならではの供養が出てきています。以前の手元供養は、お墓を金銭的な面などでお墓を建てられない人がお仏壇などに遺骨をおいていましたが、現在では身につけることで故人をいつでも感じられるという思いからアクセサリータイプのものなどもあります。手元供養は 一万円 からであっても供養することが出来るので人気なのですが一方でデメリットもあります。
デメリットは、手元供養した際には、自宅で遺骨を保管または一部の遺骨をお墓に埋葬するか合祀(ごうし)しなくてはならないので手間がかかるということや管理していた人がなくなったあと、どのように維持するのか、誰がお墓に埋葬するのかと言った問題点があります。
また、手元供養にも何種類かあります。遺骨を分骨(亡くなった方の遺骨を2箇所以上の場所に分けること)をして遺骨を小さな骨壷に分けるものや、ペンダントやピアスなどにしていつでもどこでも故人と一緒に行けるものや、宝石などに遺骨を加工するものなど様々あります。
【番外編】人以外の供養
ペット葬
人以外の供養としてペット葬と言うものがあります。ペットも大切な家族の一員であり、供養もしっかり行いたいですよね?ペットの供養方法も人間と同じように何種類かあります。寺や霊園などに 人間と一緒に入れるような墓地 やペット用のお墓、納骨堂などもあります。納骨堂は棚型とコインロッカー型のものにわけることができ、屋外の墓地に比べて費用がかかりませんまた、人間と同じように手元供養や海洋散骨など様々な供養の方法があります。
人形葬
人形供養ともいいます。人形葬は、古くなった人形や思い出がつまったいてなかなか捨てることができない人形をお寺や神社で供養をしてもらうことを言います。
具体的には以下の方法になります。
- 葬祭場や処分してもらえる団体に申し込む
- 指定されている方法にて人形を郵送にて送る、または持ち込む
- 代金を振り込む
- 供養
という流れになっています。
人形には、長い年月とともに魂が込められるためむやみに捨てることができないという日本ならではの風習です。きちんと供養することが良いでしょう。
まとめ
最近ではお墓の種類が増え選択肢が増えてきたことで、お墓への価値観が多様化してきたともいえるでしょう。どのようなお墓が良いか、お墓の種類を調べることで、自分に合うお墓が見つかるかもしれません。自分だけでなく家族と話しあいながら決めていくのも良いでしょう。