仏壇の供物とは

お供えの基本

「五供(ごくう)」をたいせつに

お供えは線香をあげたり、花を飾るのもお供えです。

お供えは宗派によって多少の違いがありますが、基本「五供(ごくう)」といって「香」「花」「灯燭(灯明)」「浄水」「飲食」の五つのものをささげます。これら一つひとつを心をこめて本尊に供えます。

「香」は身も心も清浄にする

香とは線香のことです。仏事のときに使われる抹香を用いてもかまいませんが、抹香をたくにはタネ火が必要なため、日常の礼拝では線香を使うのが一般的です。

香をたくと、その香りは部屋のすみずみに行き渡ります。これはすべての人々に差別なく行き渡る仏の慈悲の心をあらわしています。また、供える人の身も心も清浄にするという意味もあります。

微香性線香

マンションなどの気密性の高い住宅では、線香のにおいが部屋に充満しがちです。最近では住宅事情に合わせて、微香性の線香が人気になっています。またラベンダーや檜など、香りもさまざまな種類が市販されています。

仏壇の供花(きょうか)とは

*「きょうか」または「くげ」と読みます。一般的には「きょうか」と読むことが多いようです。

「花」は造花よりも生花を

供花とは仏前に花を供えることをいいます。故人の好きだった花や、仏壇やインテリアに合わせた花を供えてもかまいません。ドライフラワーや造花よりも新鮮な生花を用意したほうがよいでしょう。

灯燭(灯明)はロウソクをともす

仏壇の明かりとして使用するロウソクは欠かせません。

火をつけるときは、マッチで火をともします。礼拝がすんだら、必ずロウソクの火の始末をします。火を消すときは、口で吹かずに手であおいで消します。

「浄水」は水やお茶を供える

できれば清浄な場所からくみ上げられた水を供えたほうがよいとされてますが、実際には困難なので水道水を茶湯器に入れて供えればよいでしょう。

お茶を供える場合は一番茶を供えましょう。ただし、浄土真宗では水、お茶は供えません。

「飲食」では仏飯を供えるのが基本

飲食は、基本自分たちが食べている主食を供えます。朝と夜、炊きたてのご飯を仏飯器に盛って供えます。朝ご飯を炊かない場合は、昼でも夜でも、ご飯を炊いた時だけでもかまいません。

供えた仏飯は、すぐに下げてもかまいませんが、お下がりは捨てずに食べましょう。ご飯だけでなく、故人の好物や季節の初物なども供えます。特にお正月やお盆、お彼岸、命日など、特別の日には、心がこもった料理を供えるとよいでしょう。

まとめ

お供えの「五供」は一つひとつ心を込めて本尊に供えます。それぞれの意味を理解しながら供えましょう。供花には、生花が一般的になってきています。白い花が基調で淡い色の花を添えたりしますが、故人が特に好んだ花があれば入れてもらい、仏前に供えるのもよいでしょう。