介護が必要になったら「地域包括支援センター」へ
「脳卒中で突然倒れた」「骨折で入院し、車いす生活になった」「最近、親の言動がおかしい。認知症かもしれない」など、介護は、突然、始まります。初めてのことで、何をどうしていいのか不安だと思います。こんなとき頼りになるのが地域包括支援センターです。名称は高齢者相談センターなど地域によって異なります。地域包括支援センターは中学校区に概ねひとつあります。
地域包括支援センターは、平成31年4月度時点で、全国に5,167施設あります。
利用条件は?
高齢者について幅広い相談ができる
地域包括支援センターには主任介護支援専門員(ケアマネジャー)、保健師、社会福祉士、看護師等がいます。
介護のほか、健康や福祉、医療について、高齢者本人や家族のさまざまな悩みについて無料で相談ができます。介護だけでなく、高齢者について幅広い相談ができます。
各専門家に相談できること
- 主任介護支援専門員(ケアマネージャー)介護に関すること
- 保健師 介護予防や、健康増進に関すること
- 社会福祉士 権利擁護や生活全般に関すること
- 看護師 医療に関すること
地域包括支援センターを探すには
利用するには、住所地のある地域包括支援センターをインターネットなどで調べ、電話してみましょう。インターネットで検索するときには、「自治体名+地域包括支援センター」のように検索します。なお、「高齢者相談センター」など、市区町村ごとに独自の名称が付いている場合もありますので注意しましょう。
相談内容は具体的にメモしておこう。相談は無料!
電話するときは、相談内容を簡潔に伝えたうえで、相談日時を予約しておくと、当日の対応がスムーズです。相談の際は、アドバイスを受けたい項目をメモしておくと、より具体的なアドバイスを受けることができます。大半は土曜日も開いています。
地域包括支援センターでは、相談だけではなく、介護保険についてや高齢者向けサービスなどの内容が記載されたパンフレットも入手できます。お近くの地域包括支援センターに行ってみましょう。
その他にもこんな相談窓口がある
家族会や認知症カフェ
公的な相談窓口のほか、「介護家族の会」「認知症カフェ(オレンジカフェ)」などの地域の高齢者コミュニティもおすすめです。地元の介護施設の評判や介護保険外サービスなど、生の情報が得られます。特に、認知症が疑われる場合、病院などに行く前に、「認知症家族の会」「認知症カフェ」などの会員にアドバイスを受けるとよいでしょう。日本にはまだ、認知症の専門医が少なく、誤診や抗認知症薬の過剰投与により症状が悪化するケースが少なくありません。地域包括支援センターで地域の高齢者コミュニティの情報を収集しましょう。
医療ソーシャルワーカーやケアマネージャー
退院後の介護が不安であれば、病院の医療ソーシャルワーカーに相談しましょう。近くに居宅介護支援事業所があれば、事業所のケアマネージャーに相談することもできます。相談だけではなく、要介護認定申請の代行も頼むことができます。
ファイナンシャル・プランナー
また、介護は終わりの見えない長期戦です。介護を乗り切るためには、親子のライフプランと長期的な資金計画を立てることが大切です。資金計画の相談を、ライフプランの専門家であるファイナンシャル・プランナーにする方法もあります。
まとめ
親にはいつまでも元気でいてほしいと思いますが、75歳を超えると急に介護が必要になる確率が高まります。また、身内が昨日まで元気だったのに脳卒中で倒れ介護が必要になるなど、突然起こるのも介護の特徴です。初めてのことに不安だと思います。所在地を担当する地域包括支援センターへ真っ先に相談しましょう。介護だけではなく高齢者について幅広い悩みについて無料で相談できます。