通夜/葬儀は急にやってくるもの。事前に十分な準備をするのが難しい分、最低限のマナーはおさえておきたいですよね。

こちらの記事では通夜/葬儀に参列するときの服装や持ち物、マナーについてご紹介します。心を落ち着けて故人とのお別れをするために、ぜひ参考にしてくださいね。

遺族の服装

まず遺族側として参列する場合の服装やマナーについて、男女別におさえておくべきポイントをご紹介します。

男性の場合

正式礼装が基本ですが、昨今は遺族であってもカジュアルなブラックスーツを着用するケースが増えています。喪服には洋装/和装がありますが、男性は基本的に洋装を選ぶのが無難です。

シャツ/ネクタイともに光沢のないものを着用します。シャツ以外の小物(ネクタイ/靴/靴下/ポケットチーフなど)は黒で統一するのが無難です。結婚指輪以外の腕時計やアクセサリー類も外します。

黒色のスーツだからといって、すべてブラックスーツにあたるわけではありません。ビジネススーツを流用するのはマナー違反になるので、気をつけましょう。

女性の場合

洋装がほとんどですが、ご遺族であれば和装を着用する場合も多いです。昨今は黒無地のカジュアルなワンピース/スーツを着ることも。男性と同じく、光沢のある素材は避けましょう。

ストッキングは40-60デニールほどの、少し肌が透ける薄さのものを選びます。色は黒が基本ですが、用意が間に合わない場合は肌色でも問題ありません。中に着用するブラウスはなるべく襟元が詰まったものに、そしてスカートは正座しても膝丈になるものを選びましょう。

参列者の服装

次に弔問客として通夜や葬儀に参列する場合の服装やマナーについてご紹介します。

原則、男女ともに「正装」ではなく「準礼装」または「略礼装」と呼ばれる服装を選ぶのが一般的です。必ずしも黒色である必要はなく、濃いめの紺やグレーでも問題ありません。

また、ご遺族よりも格上の喪服を着てはならないマナーがあるため、和服は避けましょう。

男性の場合

原則ブラックスーツで、靴/靴下/ネクタイなどの小物も黒で統一します。光沢があるものは避けましょう。シングル/ダブルスーツどちらもマナー違反にはあたりませんが、パンツはシングルにするのが一般的です。

ボタンダウンのシャツは避け、たとえ黒であっても柄ものは避けます。腕時計やアクセサリーを外すのも忘れないようにしましょう。

女性の場合

カジュアルなスーツやワンピース、色は黒が基本で落ち着いたデザインのものを選びます。

袖丈は長袖から5分袖(半袖は避ける)、スカートは膝丈が基本。露出はなるべく避けたほうが上品な印象になります。

子供の服装はどうしたらいいの?

お子様も一緒に参列する場合は、基本的に学校の制服を着用します。

学校の制服がない、もしくは就学前であれば、黒や紺または濃いグレーのブレザー/ワンピースを選びましょう。

持ち物について

通夜や葬儀に参列するときに、服装以外に気をつけたいのは持ち物や髪型、メイクです。昨今は無宗教葬も増えてきているため、神経質になる必要はありませんが、最低限のポイントをおさえておくと安心です。

香典

香典を持参するときに、最も迷うのが表書きではないでしょうか。

表書きは宗教によって表記が異なります。どの宗教で通夜/葬儀を行うのか、事前の確認が間に合わない場合もあるでしょう。どんな宗教でもオールマイティに使える「御霊前」にしておけば間違いはありません。

表に名前などを書くときに薄墨を用いる風習(涙をこぼしながら書いたことを連想させるため)がありますが、昨今は必ずしも薄墨を使う必要はありません。

香典額の相場は地域差もありますが、ご遺族であれば3-5万円、一般弔問客であれば1-3万円の範囲が標準です。ふくさに包んで持参するのを忘れないようにしましょう。

アクセサリーには注意

結婚指輪以外のアクセサリーは外すのがマナーです。派手な装飾品は身に着けないようにしましょう。「時計を気にする間もないほど慌てて駆けつけた」意を示すため、腕時計も外したほうが無難です。

ネックレスやイヤリングに限り、華美なものを避けて身に着けるのはマナー違反にあたらないとされています。ネックレスは白のパールで一連のもの、イヤリングは一粒のシンプルなものが基本です。

男女ともに黒系の靴が原則です。殺生をイメージさせる革製のものは避けたほうがいいとされています。また、女性の場合、ヒールが高すぎるものや厚底のものは避けましょう。

お子様の靴に限り、黒や紺または濃いグレーのスニーカーでも大丈夫です。

数珠

数珠やふくさは普段使用することが少なく、用意が間に合わない場合もあるでしょう。斎場で販売されていることもありますが、事前に準備したほうが無難です。

色/形/長さなどさまざまなものがありますが、宗教による決まりはないため大体1000-5000円のもので好みに合うものを用意すれば問題ありません。

ハンカチ

男女ともに白または黒の無地が基本です。可能であれば黒で統一しましょう。

色物は原則NGで、また白地/黒地であっても柄やマークが入っているものも避けたほうがいいとされています。

髪型やメイク、ネイルは?

宗教に限らず、髪型/髪色やメイク、そしてネイルは派手なものを避け、落ち着いた色味を選ぶのが原則です。

メイクについては、ナチュラルな薄化粧を意識しましょう。ラメやパール、グロスなどは避け、口紅を引かない「方化粧」にしておくのが無難です。反対にノーメイクはマナー違反にあたるので注意しましょう。ネイルは落とすか、黒手袋で隠すなどしてカバーします。

コートの着用は?

靴と同じく、革製のものは殺生をイメージさせるためNGです。同じ理由で毛皮のコートも好ましくないとされています。

会場内に入るときに脱ぎ、クロークやロッカーなどがある場合は預けましょう。コートや上着を着用したまま参列ならびに焼香をするのはマナー違反です。

稀に焼香のみ屋外の特設テントにて行う場合があります。そのときは焼香をするときだけコートや上着は脱いで手元にかけておくようにします。

まとめ

通夜や葬儀に参列する機会は多くはありませんが、その時は急にやってくるもの。服装は、基本的に派手な装飾がない黒色のものを選べば問題ありません。最低限のマナーを把握して、落ち着いた気持ちで故人を送り出しましょう。