最近、終活の基本となっているエンディングノート。では、エンディングノートってなにか答えられますか?エンディングノートに興味はあるけれど、何を書いたらよいか、よく分からない。そんな方に エンディングノートの目的・書き方について、わかりやすく解説します。

エンディングノートとは

エンディングノートは、人生の最期に向けて自分の財産やモノ、介護・医療、葬儀やお墓について、記録したものを「エンディングノート」と呼んでいます。

ご自身に関する情報や希望をわかりやすくまとめ、しっかりと記録し残しておくことで自分が亡くなったとき、あるいは病気や怪我、認知症で判断能力が衰えてしまったときに備えておくと、ご家族も本人の意思がわかりスムーズに手続きをすることで安心することができます。

エンディングノートは遺言書のような法的な効力はありませんが、現在から亡くなった後のことまでを書き留めることができるので元気なうちから書いてみるのも良いでしょう。

終活は人生の最期に向けての準備と考えると暗くなりがちですが、自分の人生を振り返ることもでき、新しいことを始めるきっかけにもなるかもしれません。今をよりよく生きるための活動であり、この先の人生を充実させるためにもエンディングノートは自分らしく生きるための指針になります。

エンディングノートの役割とは

自分史として活用

エンディングノートは「自分史」として活用できます。自分自身の子供の頃の事、結婚、仕事など、今までの生きてきた人生を書いていき、そして、その時に感じた想いを書いていきます。自分が生きてきた歴史をご家族や孫などに残すことができ、また自分を振り返ることができ、これからの人生における「生きがい」を見つけることにもつながります。

将来のために備える

自分を客観視することで、いまの自分の立場または、抱えている問題が明らかになるため、気持ちの整理や不安をなくることができます。現状を把握することで、なにかしらの解決するためにどうしたらいいのか糸口を知ることができ、これからの人生をどう生きるのかを考えるヒントにもなります。

そして、エンディングノートを書くことで、老後資金や遺産相続などの準備をはじめ、医療や介護、お墓やお葬式のことなど、将来に備えることができるため自分や家族も安心することができるのです。

自分の希望を伝える

終活は人生の最期の準備だけでなく、いまを自分らしく生きる活動であり、エンディングノートは自分を知ることができ、これからの人生をより豊かにしてくれる明るいノートになるのです。エンディングノートを書いておくことで、病気や認知症になったときでも、周りに自分の情報や介護・医療に関する希望を伝えることができ、また亡くなったあとには、お墓やお葬式、遺産相続など、残された家族が死後の手続きをスムーズに進める手がかりにもなります。

エンディングノートを書く目的

終活カウンセラー協会では、終活を「人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をより良く自分らしく生きる活動」と定義しています。

終活をはじめるにあたり、エンディングノートを書くことから始めるといいでしょう。エンディングノートは自分を見つめ、これからの人生のバイブルとなるものです。では、エンディングノートの書く目的は、なんでしょうか?大きく二つあります。

「家族のため」と「自分のため」という二つの大きな目的

例えば、自身の終末期や死後に、家族が手続きや様々な判断を進めるときに、必要な情報(延命処置や葬儀、財産など)を書き残しておきます。遺言書と異なるのは、法的効力がないことであり、そのため、記載に際して「家族が参考にするもの」という認識を持ち、遺産相続を行うのであれば、必ず遺言相続を行いましょう。

エンディングノートを書くのに特に決められたルールはありません。自分と家族にとって重要な情報や、伝えたい想いをノートに書き綴ればよいのです。

エンディングノートの書き方

エンディングノートには自分の情報を記録し、大切な人に伝える役割があり、次のようなことを書いていきます。

自分や家族のことを書きましょう

まず、最初に書いておきたいのが、自分に関する情報です。

自分のプロフィール情報や、家族や友人、お世話になった方への感謝の気持ちやお礼の言葉など、これまでの人生を振り返りながら書いてみましょう。

自分史を書くようなつもりで、幼少期から順に思い出を書き出していくと、スムーズに書き進めることができます。

自分の情報は以下のような項目を書いておくと良いでしょう。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 本籍地
  • 血液型
  • 趣味
  • 特技
  • 好きな食べ物・嫌いな食べ物
  • 持病・かかりつけの病院・常備薬
  • 家系図

資産・債務状況について

自分の持っている財産の内容を一覧にしておきましょう。どのような財産があったのかを知らせることで、亡くなった後の相続手続きがスムーズです。

相続税の申告が必要な場合にはすべての財産を把握できていないといけないため、ネット銀行やネット証券については、郵送による通知がないことが多いため、教えてあげないと存在に気づきにくいため注意が必要です。

書いておきたい財産の情報は以下のようなものがあります。

不動産の種類、名義、登記簿上の所在地など

  •  預貯金
  •  株や投資信託
  •  年金
  •  有価証券などの金融資産
  •  ゴルフ会員権などの資産
  •  貸金庫などの情報
  •  人に貸しているお金
  • 生命保険の加入状況
  • クレジットカードやポイントカード等
  • 借入金やローン

保険のこと

【保険・年金】に関する書類は、重要書類として自宅の決まった場所に保管されている場合がほとんです。しかし、すでに契約の期限が切れたものが含まれていたり、書類が膨大なため、実際に現在の保険や年金に加入している内容を把握することが難しくなります。そのためにも、エンディングノートで一覧できるリストにしておくことが大切です。

書いておきたい情報は以下のようなものがあります。

  • 保険会社名
  • 連絡先
  • 担当者名
  • 保険契約の種類・内容
  • 証券番号
  • 証券の保管場所
  • 満期年月日
  • 契約者名
  • 被保険者名
  • 保険金受取人
  • 保険金額
  • 支払満了期日
  • 備考

*生命保険、医療保険、火災保険、地震保険、自動車保険などの損害保険のそれぞれについて、ご自身が契約者や受取人になっているものの両方を記します。

医療や介護のこと

死後だけでなく、病気や事故であなたが重大な判断をできなくなった時に備えてどのような措置をとってほしいのか、介護や医療処置に関する希望と考えを書きます。

ご家族に判断をすべて委ねてしまうのは、家族に大きな精神的負担がかかりますし、ご家族も可哀想です。そのためにも、元気なうちに家族と話し合いをした上で書き留めておくと良いでしょう。

  • 保険証
  • 通院病院名
  • 病名
  • 持病
  • 処方薬
  • お薬手帳
  • 診察券
  • 血液型
  • 介護・認知症になったときの方針
  • 余命、延命治療などに対す告知
  • 死ぬまでに会いたい人

葬儀・お墓のこと

葬儀の形式など遺族は最も頭を悩ませるところでもあります。そもそも葬儀はして欲しいのか、して欲しくないのか、葬儀をやるならどの様な規模、形式にするのか、また、遺影は用意しているのであれば使用してほしい遺影写真の指示をしましょう。棺や骨壷に入れてほしいものや葬儀で流したい音楽なども書いておくとよいでしょう。

お墓については、継承者問題が、家族間のトラブルに発展するケースが少なくありません。また、墓じまいも最近は増えている状況から、葬儀やお墓のことは、自分ひとりで決めるのではなく、できるだけ、家族と話し合いながら互いに納得するように決めていくようにしましょう。

 デジタル情報

デジタル資産には、たくさんの種類があります。

デジタルデータも遺品になります。パソコンやスマートフォンなどのデータや、SNSのアカウントのIDなどを書いておくことが必要です。

うっかりと見落とさないように、デジタル終活を整備しておきましょう。

  • パソコンやスマートフォンのログインID
  • メールアドレス
  •  SNS等のサイト情報と各アカウントのID

エンディングノートの書くタイミング

書きたいと思った時に書きましょう

エンディングノートは、いつから書いたらよいのか悩んでる方も多いですが、「書こう」と思いたった時に始めましょう。早すぎる、遅すぎるということはエンディングノートにはありません。修正や追加も自由なので、思いのまま自分の考えていることを書いていきましょう。

最新情報の更新をしよう

エンディングノートは、記入しても、修正や追加もj自由といいましたが、個人の環境や状況は変化していきます。定期的に記載内容を見直していき、更新をしていきましょう。。

ノートに書く日を一年の節目にしてみましょう

エンディングノートを、日を決めて定期的に書くのもいいでしょう。
 覚えやすいように、誕生日や新しい年が開ける「元旦」など、忘れにくく書きやすいタイミングと言えるのではないでしょうか。

まとめ

 エンディングノートの書き方に決まりはありません。

必要項目だけでなく、自分の日々の想いや今までの出来事など書けるところから自由に書いてみましょう。自分の気持ちを綴ることで、万が一、家族と話す術が無くなったとしてもあなたの想いは残ります。もし、なかなか書くことが出来ずに悩んでしまう場合には、専門家に相談をしてみるのも良いでしょう。