「喪主」とは、誰がするものなの?
決まっていない「故人と縁が深い人が喪主になる傾向」
喪主とは、遺族の代表として葬儀を執り行い、弔問を受ける人のことです。喪主がだれになるのかは、法律で決まっているわけではないので、誰がなってもかまいません。
昔は、家督を継ぐ人(お墓を守る人)が喪主となるのが当たり前とされていました。そのため、父親が亡くなると、長男が喪主を務めることが普通でした。しかし、いまでは一番近くで寄り添った配偶者であったり、配偶者がいない場合は、同居して長期までお世話をしていた子どもや孫だったりと、故人と最も「縁が深い人」が喪主を務めるのが、自然な流れとして受け止められるようになっています。
共同で喪主を務めることも
喪主は複数人で務めてもかまいません。たとえば、親が亡くなった場合、兄弟姉妹(きょうだい)全員で喪主を務めたり、配偶者と子どもが共同で喪主になってもいいのです。
両親がともに亡くなってしまい、のこされた子どもがまだ小さいという場合は、子どもを喪主にして、親戚の伯父さんなどが「施主」となってサポートすることもあります。
また、子ども親よりも先に亡くなった場合、かつては「逆縁」といって、親は喪主にならない習慣がありましたが、いまでは親が喪主を務めるのが普通となっています。
いずれにせよ、故人の希望がないのであれば、家族や親戚を交えて率直に話し合いましょう。家族の状況によって考え方はさまざまですから、喪主としてだれが一番適切であるかを、話し合って決めるとよいでしょう。
臨終後の対応と急な葬儀社さがし
病院で亡くなった場合
いまはほとんどのかたが病院で臨終を迎える時代です。息を引き取る瞬間に立ち会う家族や親族は、深い悲しみに襲われるでしょう。しかし、悲しみにひたる間もなく、すぐに看護師による清拭や遺体処理が行われます。点滴や呼吸器をはずす、切開している場所をもれないように処置する、鼻や口に綿を詰める、体を清潔にする、死に化粧をするなど、一時間くらいかけて、故人をきれいにします。このとき、故人に着せる浴衣や洋服などの支度をしておくと、着替えをさせてくれます。
死亡を確認すると、医師から死亡診断書が手渡されます。死亡診断書は、死後の諸手続きに必要なものです。故人名、住所、生年月日などにまちがいがないか確認し、訂正があれば、その場ですぐに伝えるようにしましょう。
すぐに葬儀社に連絡をする
そのあと、病院側から「葬儀社に連絡を」と言われるので、葬儀社が決まっていればそこに連絡を入れて、搬送と遺体の安置をお願いしましょう。葬儀社が決まっていないと、病院から紹介された葬儀社を選ぶことになりますが、その葬儀社に葬儀まですべてをお願いする必要はありません。
とりあえず、病院から自宅など遺体を安置する場所への遺体搬送をお願いするだけにとどめ、あとのことは、遺体安置後に考えることも可能です。大きな病院の場合、葬儀社が病院内に待機していて、病室から慰安室まで無料搬送してくれます。それ以降の搬送と安置は、家族で話し合って決めましょう。
葬儀社による搬送
葬儀社に連絡すると、一時間ほどで病院まで迎えに来てくれます。そのあと搬送車に故人をのせ、家族が1~2名同乗して遺体安置場所まで運びます。忘れ物がないか確認し、お世話になった医師・看護師にあいさつをして、病院をあとにしましょう。
自宅で亡くなったときの対応
自宅で看取った場合は、かかりつけの医師か病院に連絡をして、すぐに自宅に呼び、死亡確認のあと、死亡診断書を発行してもらいます。一方、昨日まで元気だったのに朝起きたら布団の中で息を引き取っていた場合や自死など、予測のできない亡くなり方をした場合は、そのまますぐに警察に連絡をします。警察は現場の様子を確認後、警察の霊安所に搬送し、監察医により事件性があるかないかの判断と死因を特定し、「死体検案書」を発行してくれます。
枕経をあげてもらい戒名を授かる
戒名は菩提寺にお願いする
菩提寺がある場合、多くは、遺体安置後、僧侶を迎え、遺体の枕元でお経をあげてもらいます。これを「枕経」といいます。その時に使う用具は、安置したときに支度した枕飾りで行います。
枕経のお布施については、地域によって、葬儀のときのお布施に含まれるという考え方と、別途必要という考え方があるので「枕経代はどうすればよろしいでしょうか」と率直に聞きましょう。
戒名は、通夜の前に授かるのが一般的。菩提寺がある場合は、原則、菩提寺から戒名を授かるので、枕経に来てもらったときに、戒名についても相談するとよいでしょう。
一方、菩提寺がなく、葬儀は仏式を希望するけど、お墓は民間の霊園などの無宗教を希望する場合は、戒名をつけなくてもかまいません。生前の名前(俗名)のまま葬儀、埋葬を行うこともできます。
原則、戒名料はお布施に含まれる
戒名とは、本来、仏様の弟子に与えられるものです。亡くなったあとに戒名をつけるのは、浄土で仏弟子として修行をするためといわれています。
戒名をつける料金が「戒名料」ですが、通常、葬儀のときにまとめて払う「お布施」に含まれています。ただし、位の高い戒名を授かった場合は、戒名料も増します。また、これらの形式や呼び名は、宗派によって異なるので、お寺とよく相談してください。
葬儀の打ち合わせ
葬儀の日程を決める時のポイント
葬儀社のペースにのまれない
葬儀社を決めたら、さっそく、葬儀社との打ち合わせに入ります。そのときに重要なことは、「急がずに、状況が整った時点で始める」ということ。急いで打ち合わせをすると葬儀社のペースになりやすく、ここで決定したことは、葬儀代金に反映されてしまいます。
まずは日程決めから
最初に決めることは、葬儀の日程です。仏式の場合は、僧侶のスケジュールを確保する必要があります。
菩提寺がある場合は、枕経のお願いついでに、遺族から直接僧侶へ電話をし、葬儀の依頼と日程の相談をしましょう。菩提寺がなく、葬儀社にお寺の紹介を頼んだ場合は、葬儀社が日程調整をしてくれることが多いようです。また希望する日に火葬場、式場があいているか、家族や親族が参加できるかなど、都合を調整する必要があります。礼儀として、少なくとも亡くなってから中1日は余裕をとりましょう。
無理のない日程で
葬儀までの時間が長ければ、親族も仕事の調整がつけやすかったり、弔辞を読んでもらう人をお願いできたりなど、メリットはたくさんあります。
遺体は「エバーミング」といって、腐敗を止め、元気なときの故人の面影を残せる技術をほどこすことも可能です。故人の姿を見ている時間が長いほど、死を受け入れやすく、悲嘆からの立ち直りが早い傾向にもあるので、「早く火葬に」とあわてることなく、家族や親族にとって、無理のない日程を組むことが大切です。
通夜の意味と喪主の役割
近親者だけで故人を囲む「通夜」
本来、通夜とは、亡くなった日の夜に、僧侶や地域の総代のような人が読経に来てくれて、家族や親戚など近親者だけで故人を囲むことをさしていました。
しかし時代の流れにより、現実的には仕事をもっている人は昼間の告別式よりも夜の通夜のほうが参列しやすいことから、通夜も一般の人に開かれるようになりました。そのため、近親者だけで故人を囲み、読経を行う場合を「仮通夜」、葬儀の前日に一般の会葬者を受け入れる通夜を「本通夜」と呼びます。実際は仮通夜は省略されることが多いようです。
喪主が忘れてはいけない3つのこと
通夜を無事に終わらせられるか、緊張と不安でいっぱいになりがちですが、たいていのことは葬儀社の指示通りに動けば大丈夫。ただし次の3つは頭に入れておきましょう。
①僧侶へのあいさつを忘れない
僧侶が会場に到着するのは、通夜の約30分前。弔問客も到着し始めるなど、喪主にとって忙しい時間帯ですが、お務めをしてくださる僧侶へのあいさつを忘れないようにしましょう。たとえ葬儀社が依頼した僧侶であっても、2日間お世話になるのですから、故人の思い出話などをして、式に入っていただきましょう。このタイミングでお布施を渡すのが一般的です。
②お手伝いの人に声をかける
親族や友人に受付などのお手伝いをお願いした場合は、「本日はありがとうございます。よろしくお願いします」と挨拶を。通夜のあとの食事を用意している場合は、「用意しているので、終わったらお食事を召し上がっていってください」と声かけも忘れずに。
③香典や芳名帳などの受取人を決定
必ず式が始まる前に誰が受けとるかを確認しておきましょう。
通夜の進行
早めに着席をして開式を待つ
開式30分前になると、会葬者が見え始めるので、遺族、親族はおそくとも開式20分くらい前には着席します。着席順は席次にもよりますが、基本的には、故人と血のつながりの濃い順から。迷ったときは、式場担当者の指示に従ってください。
会葬者が記帳後着席して、時間になると通夜の開始です。まず、30分ほどの導師の読経で始まります。その間、遺族や親族、会葬者は頭を垂れて静かに聞きます。遺族や親族の中に幼い子どもがいる場合は、騒いだり泣いたりしたときに会場の外にすぐ出られるように、扉近くの席や道路のある端の席に座るなどの配慮を心がけましょう。
焼香は喪主から順に
読経中に焼香に入ります。ただし、弔問客が多い場合は、読経開始と同時に焼香する場合もあります。焼香の順番は、喪主から始め、故人と血縁の近い順となります。基本的には席次の順番が焼香の順番と考えていいでしょう。そのあと、担当者の指示に従って、会葬者が順次、焼香となります。
喪主は焼香を終えたら、自分の席につきます。地域によっては、喪主は自分の席に戻らず、会葬者が焼香を終えて歩いてくる途中に別の席を設け、会葬者一人ひとりに立礼をする場合もあります。
会葬者は通夜ぶるまいの会場へ
通夜ぶるまいがある地域では、会葬者は焼香が終わると、式場担当者の誘導で、会食室へ移動し、通夜ぶるまいを受けて帰ります。そのため、最後まで通夜の会場に残るのは、遺族、親族、導師だけに。通夜ぶるまいがなく、会葬者が式場に残っている場合、喪主は参列者に対し、弔問していただいたことへのお礼、故人に対する厚情への感謝、翌日の葬儀の案内などを手短に述べます。
こうして簡単なあいさつをしたあと、閉式に。閉式後、僧侶も一緒に食事をされる場合は、控室などを用意しておくと喜ばれます。席に案内したあと、喪主からあらためてきょうのお礼を伝えてください。通夜ぶるまいを辞退されるときは、お礼のあいさつとともに、明日の葬儀・告別式も引き続きお願いすることを伝え「お膳料」や「お車料」とともに、会葬礼状と返礼品などを渡して見送ります。
葬儀・告別式の一般的な進行
進行は時間どおりに行うこと
葬儀社との打ち合わせが終わり、開式の30分ほど前になると、僧侶が到着します。僧侶を迎えたら、通夜同様、喪主(もしくは遺族のだれか)は「本日もよろしくお願いいたします」とあいさつをしましょう。開式15分前になったら、遺族、親戚は着席をします。
葬儀・告別式で大切なことは時間どおりに進行するということです。なぜなら、火葬場を使用する時間が決まっているので、それまでには到着する必要があるからです。進行に関しては葬儀社も気をつかいますが、喪主、遺族も同じ気持ちで式に臨みましょう。
弔電の紹介は省略してもOK
会葬者が着席をして時間になると、導師入場とともに開式になります。そのあと、すぐに導師の読経が始まります。読経が終わると、弔辞拝受、弔電紹介に入ります。時間の都合によって、省略しても失礼にはあたりません。
指名焼香がある場合も
そのあと、再び導師の読経が始まり、焼香へと移ります。通夜同様、喪主から血縁の濃い順に焼香を行いますが、地域によっては「指名焼香」といって1人ずつ人物を指名して焼香することもあります。指名焼香になるのは、喪主、遺族、親戚、町内会会長など地域関係者、故人と近かった関係者など。そのあと会葬者が順に焼香します。
会葬者の焼香がすべて終わると、導師が退席となります。そのあと、遺族、親族、会葬者による「別れ花」の儀式が行われ、喪主の挨拶となります。
大規模な葬儀や火葬がすんでいる場合、会葬者による花入れを行わない場合は、導師退席後に喪主のあいさつがあり閉式となります。
会葬者の前に整列
棺の蓋が閉められると、出棺前の「遺族代表(喪主)の挨拶」となります。進行によって、棺を霊柩車にのせたあとになることもあります。
挨拶をするときは、喪主が位牌を、ほかの遺族が遺影、花束を持ち、親族は会葬者の前に1列並びます。
遺族代表の挨拶はほとんどの場合、喪主が行いますが、伯父など親族代表の人が行ったりすることもあります。
出棺から火葬場へ
棺を霊柩車にのせる
遺族代表(喪主)のあいさつを終えたら、いよいよ出棺です。ひつぎを霊柩車まで運ぶときは、位牌を持った喪主を先頭に、つづいて遺影を持った遺族、そしてひつぎの順になります。
火葬場への移動
一般には、霊柩車には位牌を持った喪主が、つづいてハイヤーかタクシーに僧侶と遺影を持った遺族が、その次に親族や関係者などがマイクロバスに同乗します。自家用車を出すときは迷わないよう、ハイヤー(タクシー)とマイクロバスの間に入ります。
火葬場での流れとマナー
仮祭壇の前で読経と焼香を
自宅で葬儀を行う場合は、遺族や親族たちが火葬場に向かっている間、祭壇の片づけや遺骨を迎える準備などのため、お手伝いの方に自宅に残ってもらうようお願いします。しかし、葬儀社で行う会館葬の場合、その必要はありません。葬儀社のスタッフが、初七日法要や精進落としの準備をしておいてくれます。
- 火葬場に到着後、霊柩車から棺がおろされます。そのあと、告別室、または炉の前などに棺が置かれます。
- 仮祭壇があるので、そこに位牌と遺影を置いて、僧侶による短い読経のあと、遺族、親族による焼香を行います。
- 棺の窓から故人と最後のお別れをしたあと、全員で合掌して、故人が炉に入るのを見送ります。
僧侶には手厚く接待を
そのあと控室で2時間ぐらい待ちます。控室での過ごし方で心がけておきたいのは、僧侶の接待をすること。
拾骨室で骨揚げを行う
火葬が終わると館内にアナウンスが流れ、拾骨室へと移動します。遺族による遺骨の確認後、骨を骨壺に入れる「骨揚げ」という儀式を行います。遺骨がおさめられると、白木の箱に入れられ、白い布で包まれます。同時に埋葬許可証が渡されます。この許可証がないと埋葬できなくなってしまうので、無くさないよう、箱の中に一緒に入れて渡してくれることが多いようです。
喪主は骨つぼを持ち帰る
骨壺は喪主が両手で抱えて持ち帰ります。そのため、来るときに喪主が持った位牌はほかの遺族が持ちます。
初七日法要
初七日法要はその日のうちに
そのあと、一同は「還骨回向(かんこつえこう)」(「還骨勤行(かんこつごんぎょう)」ともいう)と呼ばれる遺骨を迎える法要を行います。僧侶が読経をし、喪主から順に焼香をしていきます。
また最近では、還骨回向とともに、初七日法要を行うことが多くなりました。仏教では、四十九日までの間、7日ごとに供養することで、故人が迷うことなく仏教の世界に入れるとされています。
初七日法要とは、亡くなった日を含めて7日目に行う法要で、大切な供養です。しかし、僧侶と都合が合わなかったり、遺族も仕事を休めない、親族に再び集まってもらうのは大変などの理由から、現在では葬儀・告別式の日に、初七日法要を行うようになったのです。これを「付七日」と呼びます。
告別式のあとに初七日法要をすることも
初七日法要では、還骨回向につづき、初七日の読経をしてもらうのが一般的です。しかし、僧侶が火葬後すぐに寺に帰らなければならない場合などは、告別式のお経につづいて、初七日法要のお経をあげてもらうこともあります。
「精進落とし」での喪主・遺族側のふるまい
精進落としで僧侶や親族をもてなす
初七日法要が終わると、精進落とし(しょうじんおとし)を行います。本来、遺族は、四十九日の間、魚や肉を断った精進料理をとっていて、忌明けと同時に普通の生活に戻るという意味から、その区切りとして、精進落としが行われたのです。いまではその意味は薄れ、葬儀でお世話になったかたたちへのお礼と感謝を込めて、会席膳の料理でもてなす意味に変化しています。
最上席は僧侶、次いで世話役など。喪主や遺族は末席となります。当日の御車代、お膳料を渡していない場合は、このタイミングで手渡します。そのほか返礼品や供花の花束、供物を分けた小袋なども持ち帰ってもらいます。
献杯の発生をお願いする場合
精進落としは、喪主からお礼の挨拶で始まります。そのあと故人を偲んで杯をささげる「献杯(けんぱい)」をして、1時間から1時間半ほどの会食となります。
献杯の発声は喪主が行ってもかまいませんが、来賓として故人が勤務していた会社の上司が来てくれたというような場合や、親族の中でも年長者を立てておいたほうがいいといったときなどは、そのような人に献杯の発声をお願いするといいでしょう。
親族との絆を大切に
悲しみにくれる間もなく、臨終から、通夜、葬儀・告別式、火葬と、あわただしい時間を過ごしてきましたが、無事大役を務めあげた喪主は、精進落としのときにやっとほっとするでしょう。騒いだりするのは慎みたいものですが、これも故人が与えてくれた縁ですから、羽目をはずさない程度に、仲良くすることはよいことです。これを機に、親族の絆が強まることも大いにあるでしょう。
葬儀後の最後の事務手続き
世話役から事務の引き継ぎを行う
精進落としが終わり解散となったあと、喪主は受付などを手伝ってくれた人から、香典などの現金、芳名帳、香典帳、供物・供花リスト、弔電、弔辞などを受け取ります。香典を受取るときは、香典管理していた人にも立ち会ってもらい、香典帳と照らし合わせて、合計金額に間違いがないかをその場で確認しましょう。
葬儀後に自宅に弔問にきた方への香典返し(返礼品)は、20人分くらいは用意しておきましょう。少なくなった場合は葬儀社に追加注文しておきましょう。余った場合は返品します。
お世話になったかたがたへの挨拶
故人の勤務先へのあいさつ
喪主は、故人が生前お世話になったところへお礼も兼ねて挨拶回りを行うことが一般的です。故人の私物が残っている場合は、そのときに引き取るといでしょう。勤務先に行けない場合は菓子折りに礼状を添えて送ってもかまいません。
介護施設や病院などへも足を運ぶ
故人が介護施設や病院に入っていた場合は、葬儀後早めに足を運び、お世話になったお礼を述べるとともに、精算をすませ、残っているものがあれば引き取ります。いずれも菓子折りなどの手みやげを持参するようにしましょう。
ご近所にもお礼と葬儀終了の報告を
いまは自宅ではなく会館などで行う葬儀が主流となり、近所にお手伝いをお願いする場面が少なくなりました。とはいえ、町内を代表して葬儀に来られるかたがいたり、親族が多く集まるときに駐車場を貸してくれたりなど、多少なりともお世話になることもあるでしょう。
その場合は、葬儀後、故人を偲んでいただいた供花で作った花束や供物などを渡しながら、おかげさまで無事に葬儀をすますことができましたという報告とお礼をしましょう。受付などのお手伝いをしてもらった場合は、心づけ(5000円程度)も一緒に手渡しします。*供花(きょうか もしくは くげ)と呼びます。
高額な香典をいただいたかたへの香典返し
2万円以上の香典をいただいた場合
通夜・告別式当日にお返しする「即日返し」が増えてきましたが、即日返しに対応できる香典額は1万円までが目安。2万円以上の香典をいただいた場合は、葬儀当日の返礼品の他に、四十九日の忌明け後をめどに、差額分の半返しを目安にお返しをするようにします。
親族への香典返しはどうする?
親族からは高額な香典をいただくことが多いでしょう。会食費もかかっているので、半返しよりも少なめでいいかもしれませんが、遠方の親族など、宿泊費や交通費などをかけてきてくれた場合は、少し多めにお返しをするのが礼儀です。また現金ではなく、お花やお線香などの品を送ってきてくれた人には、ささやかでいいので菓子折りなどを送るといいでしょう。
まとめ
喪主は、故人が亡くなってからわずかの間に通夜、葬儀・告別式を執り行い、親族への対応など、いままで経験したことのないような忙しさに見舞われます。そのため亡くなってすぐのころは、忙しさのほうがまさり、悲しみを感じる暇がありません。家族はもちろん、故人のためにも、喪主は自分を大切にするように心がけてください。